中小企業診断士 ![]() |
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中小企業診断士は、コンサルタントという専門的な立場から、企業の経営や事業運営の課題解決支援を行う「日本版MBA」ともいえる経営コンサルティング唯一の国家資格です。経営に課題を抱える会社だけでなく、売上アップや事業拡大を図ろうと考える会社、ベンチャー企業などを含む中小企業を診断し、支援します。昨今は国の政策を活用して、中小企業を支援する役割も求められています。 |
人気度![]() ![]() ![]() ![]() |
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年間受験者数 | 16,434人 *註1 | 所要勉強時間 (目安) |
1,000~1,300時間 |
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年間合格者数 | 905人 *註1 | 資格登録者総数 | 約26,000人 *註2 |
合格率 | 7.3% *註1 (1次19.7%・2次18.7%) |
平均年収 (目安) |
500~1,500万円 *註3 |
註2)経済産業省への登録数(2017年4月時点)
註3)J-Net21調査(2016年)
こんな方にオススメの資格
- 広くビジネススキル・を身につけたい方
- 金融機関など、中小企業と接点の多い業界・会社にお勤め方
- 経営コンサルタントとして活躍したい方
「中小企業診断士」資格の需要・メリット・将来性
日本には法人が200万社ありますが、コンサルタントを利用しているのは約6万社(3%)で、そのほとんどが大企業です。グローバル競争激化・商品ライフサイクルの短命化・少子高齢化の進展など経営環境が激変する中、今後の日本の持続的競争力を担う99%の中小企業に対する経営サポートの潜在的ニーズは大きく、中小企業の成長や事業継承のためのコンサルタントが求められています。
中小企業診断士は、実務として中小企業の事業計画・再建計画の策定・実行支援を行うことも多く、中小企業と接点の多い金融機関の評価が高い資格でもあります。
コンサルティング業界全体では、企業の競争環境の変化、企業の「働き方改革」などもあり、実行支援も含めたコンサルティング市場が拡大しています。
フリーランスエージェント会社の登場・成長などもあり、経験・実績を生かしてフリーコンサルタントとして独立・活躍される方も増えています。
中小企業診断士の懸念点は、独占業務のない「名称独占」の国家資格で、特定分野の専門性を示すものではないため、商工会議所経由の依頼・相談窓口などの仕事はありますが、資格だけで満足な報酬のコンサルティング案件を確保するのが相当に難しい点です。
中小診断士資格は5年毎に更新要件が定められていますが、資格を更新しない方、資格を休止する方が2割~3割いるとされています。
中小企業診断士協会・研究会活動なども含め、資格を人脈・ネットワーク作りのために有効活用しながら、コンサルティング実績を積んでいくことが求められます。
中小企業診断士の仕事は経験が重要で、定年がないため、60歳以上の方も活躍できるというメリットもあります。
今後の中小企業診断士・コンサルティング業界の動向にも注目が集まります。
中小企業診断士の具体的な業務内容
- 業務独占分野はありませんが、経済産業省認定の国家資格である性質上、商工会議所・
中小企業診断士協会と連携した公的機関の仕事もあります。 - 「見る=企業診断・支援」「書く=本や雑誌の投稿」「話す=講演・セミナー」の
3つの主な仕事のバランスのとり方は人それぞれです。 - 経営コンサルティングといっても、経営・財務・製造・営業・マーケティング・人事ほか対象範囲が広いため、それぞれの経歴・専門分野で、中小企業診断士資格を1つの「肩書き」として活動しているのが実態です
数字で見る中小企業診断士
2016年 | 2017年 | 2018年 | 対前年比 | ||
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1次 | 受験者数(①) | 16,024 | 16,681 | 16,434 | -1.5% |
合格者数(②) | 2,404 | 3,106 | 3,236 | +4.2% | |
合格率(②÷①) | 15.0% | 18.6% | 19.7% | ||
2次 | 受験者数(③) | 4,413 | 4,289 | 4,829 | +12.6% |
合格者数(④) | 842 | 828 | 905 | +9.3% | |
合格率(④÷③) | 19.1% | 19.3% | 18.7% | ||
全体 | 合格率(④÷①) | 5.3% | 5.0% | 5.5% |
J-Net21の2016年調査で、中小企業診断士の属性や独立の実態が確認できます。
- 年齢は50歳代(29.1%)が最も多く、60歳代(25.6%)、40歳代(22.9%)、30歳代(9.8%)の順
- 独立している人は43.6%(他資格兼業16%を含む)。他の保有資格は、FP、情報処理技術者、販売士、社労士、ITコーディネイター、行政書士が多い
- コンサルタント業務の年間売上は、501万円~800万円以内(19.9%)、1,001万円~1,500万円以内(18.8%)、801万円~1,000万円以内(14.9%)、401万円~500万円以内(10.0%)の構成比
「中小企業診断士」資格取得のポイント
1次試験が8月、2次試験は記述式10月・口述式12月に、それぞれ年1回行われます。
2次試験合格後、15日間の実務補習を終えると、中小企業診断士として経済産業省に登録することがきます。
1次試験は7科目の「広い試験範囲」、2次試験は「固有の論述形式」への対応が必要です。
1次試験は7科目の知識習得・暗記中心の学習が必要です。
過去の科目別実績に見ると、経営法務・経済学の合格率が相対的に低く、会社運営に関する広範囲の知識の理解・習得をいかに効率的に進めるかがポイントです。
2次論述試験が最大の難関です。
特に、「事例Ⅳ(財務・会計)」で受験者の得点差がつきやすく、「事例Ⅳ(財務・会計)」をいかに弱点克服・得点源にできるが勝負の分かれ目とされています。
取得までの勉強期間は、1年が約30%、2年以内が約50%です。
「中小企業診断士試験」概要
受験資格 | 年齢・実務経験に関係なく、誰でも受験可能 |
申込期間 | 1次試験:4月下旬~5月末 2次試験:8月下旬~9月中旬 |
試験実施日 | 1次試験:8月初旬の2日間 2次試験(筆記):10月下旬の1日 2次試験(口術):12月下旬の1日 |
受験料 | 1次試験: 13,000円 2次試験: 17,200円 |
合格発表 | 1次試験:9月上旬 2次試験(筆記):12月上旬 2次試験(口術):12月下旬 |
試験内容 | 【1次試験】(マークシート式、試験時間①②⑤⑥各60分・③④⑦各90分) ①経済学・経済政策 ②財務・会計 ③企業経営理論 ④運営管理(オペレーション・マネジメント) ⑤経営法務 ⑥経営情報システム ⑦中小企業経営・中小企業政策 【2次試験(筆記)】(記述式、試験時間各80分) ①中小企業の診断及び助言に関する実務の事例Ⅰ(組織・人事) ②中小企業の診断及び助言に関する実務の事例Ⅱ(マーケティング・流通) ③中小企業の診断及び助言に関する実務の事例Ⅲ(生産・技術) ④中小企業の診断及び助言に関する実務の事例Ⅳ(財務・会計) 【2次試験(口述)】(約4問、面接時間15分程度) 中小企業の診断及び助言に関する能力に関するもの。 面接官3人との面談(3対1)で、2次試験(記述試験)の4事例に関して、 記述試験とは別の問いに対しての分析・提案を求められる。 ※1次試験の合格基準は、総点数の60%以上、かつ1科目でも40%未満のないこと ※1次試験は科目別合格も可能で、全科目を3年以内に7科目に合格すればよい ※2次試験の合格基準は総点数の60%以上かつ1科目でも40%未満がなく、口述試験における評点が60%以上であること ※2次試験合格後に、診断士資格を取得するための実務補習が15日間実施される。 |
有効期限 | 5年更新 ■専門知識補充要件と実務要件の両方を満たす必要がある 【専門知識補充要件】 以下いずれかを合計して5回以上の実績 1)理論政策更新(理論政策)研修を修了、2)論文審査に合格、3)理論政策更新(理論政策)研修講師を務め指導 【実務要件】 以下いずれかを合計して30日以上行ったこと 1)診断助言業務等に従事、2)実務補習を受講、3)実習・実務補習を指導 |
中小企業診断士と相乗効果が見込める資格
- 社会保険労務士・販売士など、経営・人事・管理系資格
- プロジェクトマネージャ試験・ITストラテジストなど、IT・WEB系資格
- 日商簿記検定
「中小企業診断士」資格の通信講座・通学講座
LEC
財務・会計に強く、ベストセラー書籍・公開模試など試験傾向を徹底的分析したカリキュラムに定評のあるLECの通信講座です。
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代表・主任講師の方も中小企業診断士資格を取得しており、自らの経験も活かして開発された、高速インプット学習、学習マップ勉強法、スマホ・タブレットを活用したスキマ時間勉強が特徴です。
合格お祝金制度あり
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